村松邦男

 村松邦男・・言わずとしれた「シュガーベイブ」の名ギタリスト
 しかし、彼が、バンド解散後、自らシンガーソングライターとしてソロ活動をしつつ、また、アレンジやプロデュースをこなしつつ、シャネルズやジッタリンジンなど、多くのバンドをその基礎からビルドして成功に導いてきたことは案外知られていない。
 自分自身が黎明期の日本のロック・ポップスシーンで先駆けてきた経験を生かしつつ、(そのころ、バンドとはほとんどが洋楽のカヴァーバンドで、日本語でそれをやっていたのは、わずかに、はっぴぃえんどとシュガーベイブなど、ほんの少数のバンドだけだった。しかし、彼らのおかげで現代の日本のロック・ポップスシーンがある!)多くのバンドの技量を上げてきた実績はいままた、生かされてもいいのではないだろうか?

 いまのレコード会社でそれらができるディレクターはもういない。「ちょっとイマイチかなぁ」とか「ちょっとちがうかなぁ」とか言えるディレクターはいっぱいいるだろう。でも、「どこがどうイマイチなのか」「どこをどう治せばよくなるのか」・・・バンドのメンバーを納得させつつ、やり直させることのできる人なんていませんよ。
 また、個々のテクニックに優れたプレイヤーもたくさんいる。しかし、名選手かならずしも名コーチ足り得ず、というのはこの音楽業界でも言えます。やはり、その弾き方、表現などの必要性を言語化できなければなりません。ただ単に教えるだけならできるギタリストやピアニストは多数いるでしょう。
 でも、村松はたんにギタリストではなく、コーラステクニックもあり、なによりバンドのメンバー(相手は山下達郎であり、大貫妙子ですよ!)として、日本の音楽シーンをつぶさにみてきたのです。もちろん、作曲もし、作詞もし、アレンジもコーラスアレンジもし、プロデュースもしてきました。

 総合的にバンドの問題点とその改善方法を即座に答えられるバンドビルダーの代表者・・それが「村松邦男」です。